神社が作る濁り酒!春日神社の「どぶろく祭り」

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参拝客にどぶろくを振る舞い五穀豊穣を願う祭り。関東の神社で唯一醸造が認められている珍しい祭りだけに他県からの参拝客も多く訪れる 

行方市の春日神社で開催される「どぶろく祭り」は、毎年11月23日に行われています。地域の人々が醸造したどぶろく(濁り酒)を訪れた参拝客に振る舞うという稀有な祭りで、他の供えものと一緒にどぶろくを神に奉り五穀豊穰を願います。今回はどぶろく祭りの魅力をお届けします。

多くの杉に囲まれ荘厳な空気を醸し出す春日神社

春日神社は807年(平安時代初期)に奈良の春日大社より分祀したものと伝えられ、この地に建立されたことを祝い、八石八斗の酒を醸造して盛大な祝典を行いました。これが「どぶろく祭り」の初めであると伝えられ、大祭の日が11月23日に変更された現在も、どぶろくを醸造し神に供えて祭事を行い、参拝者に振る舞っています。

行方市経済部商工観光課の職員は、「どぶろくは、米、米麹、水を醗酵させて作る白く濁ったお酒です。免許がないと作ることができないので、これを作ることができる神社は全国でも数十カ所しかありません。関東の神社では春日神社のみ醸造が認められているな神社です」と言います。

白く濁ったお酒であるどぶろくは、新米を蒸し、麹と混ぜて仕込まれる
蒸した新米の温度、麹を混ぜたときの温度、醗酵熟成の温度などの管理が大変で根気のいる作業

春日神社のある青沼地区では昔からどぶろくを作っていたそうですが、当時、どぶろくは一日の疲れを癒す飲みものとして愛され、酒蔵がなかったころには、山に穴を掘ってわざわざ蓄えていたくらい貴重なものだったと伝えられています。“そのありがたみをいつまでも忘れないようにと、お祭りでどぶろくが奉られるようになった”ともいわれています。

お祭りの当日は、朝8時半ごろに神に奉ったどぶろくを境内に運び、10時ころから参拝者に振る舞われます。17時くらいには「受け渡しの儀」が行われます。これは、今年のどぶろく祭りを担当した集落の人々と、来年担当する集落の人々が神社の拝殿に集まって行われる儀式です。

「祭りのために仕込まれたどぶろくは、地元の氏子たちが新米を使って境内の酒蔵で仕込んだものです。とてもおいしいと評判で、舌鼓を打つ人々で境内はにぎわいます。(商工観光課職員)

毎年、4つの地区が順番で当番地区となり、どぶろく作りが行われる

11月23日といえば明治安田Jリーグも終盤を迎える時期です。春日神社までアントラーズの必勝祈願も兼ねて、ぜひお越しください。

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春日神社
住所
:行方市青沼492-1

お問い合わせ

行方市役所商工観光課
TEL
:0291-35-2111

https://www.city.namegata.ibaraki.jp/page/page001333.html

(この記事は月刊アントラーズフリークスのホームタウン浪漫紀行に加筆修正を加えて掲載しています)


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