はまなすの塩づくり体験レポート

鹿嶋市地域おこし協力隊by:鹿嶋市地域おこし協力隊

鹿嶋市はまなす公民館(はまなすまちづくりセンター)で7月18日に行われた「はまなす塩づくり体験」に参加しました。毎年行われているこのイベントはなんと今年で24回目!今回はその体験レポートをお届けします。

はまなすの塩とは?

室町時代に「はまなす公民館」付近の鹿嶋市角折(つのおれ)の浜で塩づくりにて巨万の富を得た「文太長者物語」が由来で、この物語を後世に伝承するまちづくり事業として塩づくりが計画されました。平成10年には、当時の公民館職員4名が自費で石川県珠洲市にある「奥能登塩田村」に塩づくりの視察研修に行き、現在に続く塩作り事業のかたちをつくったそうです。

「文太長者物語」によると鹿嶋市角折の海岸は、利根川(とねがわ)・涸沼川(ひぬまがわ)・那珂川(なかがわ)の河口のほぼ中央に位置し淡水の影響が最少な為、濃い海水が得られ、かつ水運にも恵まれ製塩には大変適した地域だったとか…。

塩の作り方

塩づくりにはこのように多くの工程がありますが、実行委員の方が3日前から釜の修理、煙突交換、燃料の確認、海水の汲み上げなどの準備をしてくださったそうです。当日私が会場に着くと、薪をくべられた5つの釜でグツグツ煮られた海水が既に用意されていました。

今回の塩づくり体験で行う作業は・・・

この2つの作業を繰り返し行います!当日はこの作業だけでも朝9時頃から(途中お昼休憩をはさみつつ)午後1時半くらいまでかかりました。塩づくりは想像以上に大変な作業です。

ついに塩ができました!

網で釜の底をすくうと真っ白な塩が!

当日は梅雨け直後の炎天下での作業となりました。釜から出てくる湯気や熱風を浴び、まるで砂漠の真ん中にいるような暑さを体験しました…。とにかく暑い!!

しかし…さすが実行委員の皆様!!熱中症対策としてかき氷、梅干し、バナナ、冷たい飲み物などたくさん用意してくださり、具合が悪くなることもなく無事に作業を続けることができました。イベントの3日前からの準備も含め、実行委員の皆様のおもてなしをひしひしと感じました。本当にありがとうございます…。

出来上がった塩はこちら

今回の塩づくり体験の参加者は17名。実行委員の方55名と一緒に作った塩の量は83㎏!使用した海水の量は4t!真っ白なきれいな塩ができましたー!!

本来は子供たちが中心となって行われる塩づくり体験ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から昨年に続き今回も子供の参加は見送り、大人のみの参加となりました。はまなす公民館の館長にお話を伺ったところ「昨年、また今年もコロナ禍の中、主役の子供たちの参加がなく残念でした。次回コロナ収束後には大勢で元気のよい声で塩づくり文化の継承に参加してほしいです」と仰っていました。次回は子供たちが参加できますように…。

はまなすの塩はどこで手に入れられる?

さて、今回作った塩は鹿嶋市「はまなす公民館」で1個300円(130g)で購入できます。こちらの塩は販売目的ではなく、頂いたお金は協賛金としてお預かりし、釜の修理費や備品の購入に充てているとのことです。まろやかな口当たりの「はまなすの塩」をぜひお試しください。この塩で作るおにぎりはとっても美味しいですよ!!

はなます公民館(はまなすまちづくりセンター)

住所/茨城県鹿嶋市角折2096番地1

電話番号/0299‐69‐6211

開館時間/8:30~17:15

休館日/月曜日・年末年始


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