かしまの遺跡いってみた!vol.4「宮中野古墳群 夫婦塚古墳」

アバターby:鹿行ナビ

鹿嶋の遺跡行ってみた!今回は鹿嶋市指定の史跡宮中野古墳群夫婦塚古墳を紹介します。宮中野古墳群は前方後円墳19基、帆立(ほたて)貝式(がいしき)古墳2基、方墳3基、円墳103基を数え、県内でも最大規模の古墳群です。

鹿島神宮駅から豊郷地区に向かう道を進むと、浄水場入り口付近に古墳が見えてきます。この古墳は宮中野古墳群73号墳の夫婦塚古墳で、平成12年に市の指定史跡になっています。鹿嶋里山の会の皆さんによっていつも下草が刈られ、古墳の形が見やすくなっています。今日(令和4年7月23日)は鹿嶋里山の会のみなさんの活動日でした。鹿嶋里山の会は今年で活動開始20年、各自が刈払い機を持参しボランティアで夫婦塚古墳や大塚古墳をきれいにしてくださっています。
この看板のところを曲がります。

浄水場の前を通過すると東屋とバイオトイレが見えてきます。トイレを過ぎると駐車場です。

駐車場の奥には看板があり、古墳が目の前に飛び込んできます。夫婦塚古墳は6世紀代に造られた前方後円墳で、全長約107.5m、後円部径約47.5m、高さ約7.5m、前方部長約60m、前方部幅約34m、高さ約5.75mで、県内で5番目、鹿行地域では最大規模の古墳です。
看板の奥の低いところが周堀で右奥に低い高まりが見えます。

宮中野古墳群夫婦塚古墳の実測図

夫婦塚古墳の東側には直径約15mと17.5mの陪塚(ばいちょう)と思われる円墳が2基確認できます。陪塚は大型の古墳とともに古墳群をなす小型の古墳であり、なおかつ大型の古墳と同一の時代に、その周囲に計画的に付随するように築造されたものを指します。大型の古墳に埋葬された首長の親族、臣下を埋葬するもののほか、大型の古墳の埋葬者のための副葬品を埋納するために築造されたものもあると考えられています。この陪塚以外にも周辺の前方後円は主軸を夫婦塚古墳と同一の方向を向くことから関係性があると考えられています。

北側の陪塚
南側の陪塚

発掘調査はされていませんが、古墳の形状から6世紀代に築造されたものと推定されます。周堀から墳丘を見上げると高さを感じます。また、墳丘の一部で、埴輪の破片が出土しています。

古墳を上から見るとこのように豊かな森の状態で、西側の周堀は削平されています。

古墳を見学するもっともよい季節は冬、下草が枯れ、古墳の形がわかりやすいとされていますが、夫婦塚古墳は下草が刈られていますので、虫のことを考えなければ夏でも見やすい古墳スポットです。森林浴もかねて、おでかけしてみませんか。


文化一覧ヘ