かしまの遺跡いってみた!vol.11「片岡遺跡」

アバターby:鹿行ナビ

鹿嶋勤労文化会館の南の道を西に向かっていくと、国道124号線の旧道と交差します。このあたりが片岡遺跡で、鹿島郡家跡である神野向遺跡の北に広がる複合遺跡です。複合遺跡とは複数の時代の遺構が見つかっている遺跡で、片岡遺跡では縄文時代・弥生時代・古墳時代・奈良時代・平安時代・中世・近世と原始古代からずっと土地が利用されてきたことが、発掘調査によりわかっています。

(空撮写真)郡家北側の道路(都市計画道路3・3・9号線)

現在は道路が整備され、住宅地が広がっていますが、今から30年ぐらい前は畑も多く、兎もみられました。
さて、片岡遺跡には紹介したい出土品や遺構が沢山あるのですが、今回は縄文の美というべき今から3000~3500年ぐらい前の土偶と土器を紹介しましょう。

(片岡遺跡の土偶)

この土偶は胸がふくらんでいるからたぶん鼻の高い女性で、顔や体に細かい文様があります。後頭部・額・のどから胸、まゆ・目・口も粘土ひもを貼り付けてキザミを入れて表現しています。頭と体が10m以上も離れたところから見つかり、このように接合されました。

次にどきどきセンターオリジナルトートバックに図案化された縄文土器深鉢です。

片岡遺跡の深鉢
トートバック写真

長軸80 cm・短軸50 cm、深さ14 0 cmと深く掘り込まれた穴からほぼ完形で見つかっています。「X」と横にした「U」に似たマークが付いていて、なんだかメッセージのようでもあります。
土器の高さは約21㎝、口の大きさは19㎝、底は約6㎝自立が難しい土器です。出土時は土器の中に骨粉のようなものがみられたようで、骨壺として利用された可能性が指摘されています。
そして最後は3500年ぐらい前の1軒の竪穴建物跡から見つかった異形土器のセットです。この時期になると注口土器がみられます。舟形の丸底土器や異形台付土器など祭祀的な使用が想像される土器たちも含まれています。

SB1出土土器のセット写真

どれも鹿嶋市どきどきセンターの第1展示室に展示されています。鹿嶋の縄文の美に触れてみてください。


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