新日本歩く道紀行100選 鹿嶋 神の道を歩く 降臨の里編

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ルート3 降臨の里

今回は「鹿嶋 神の道」のルート1に続き、ルート3「降臨の里」を歩きます。カシマスタジアムを見ながら古寺や史跡を訪ね、雄大な鹿島灘を臨むコースで、アントラーズの試合観戦とセットで楽しむのにぴったりです。

ルート3の舞台は、鹿島神宮の東側、カシマスタジアムや卜伝の郷運動公園の周辺、約12・2キロメートルのコースを巡ります。スタートは51号沿いのまちづくり市民センター。トイレもあって車を停めておくこともできます。水戸方面に歩き始めると、目の前にカシマスタジアムが迎えてくれます。その手前の神社が最初のチェックポイントです。立派な社殿に祭られているのは、鹿島神宮のご祭神であるの先導役を務めたといわれるです。

みどころ

朱塗りの門が美しいのは、スタジアムから5分ほどのところにある神向寺です。行基上人を中興の祖と仰ぐ、鹿嶋で最も古い寺とされています。山門をくぐると右手に銀杏の巨木がそびえます。

境内を抜けると、おなじみの卜伝の郷運動公園。波野公民館前を過ぎ、左手に少し上ると青空に映える鹿嶋灯台が姿を現します。そこから100メートルほど林に入ったなかに、ひっそりとたたずむのが百基の庚申塔です。江戸時代、暦で2カ月に一度訪れる庚申の日の夜に、人間の体に宿る3匹の虫が天上の神様に人間の悪事を告げ口するのを恐れて村人が集まり、お祈りをした後、朝までお酒を飲むなどして過ごしたそうです。最近まで続いた風習ですが、3年ごとに記念に建てた庚申塔90基と青面金剛像10基の石塔が祭られています。

降臨の浜まで約1.7キロメートルを歩くと、雄大な鹿島灘が目の前に広がります。出雲のから武甕槌大神が国譲りをされ、降臨したのがこの浜だと伝わり、東の一の鳥居から鹿島神宮の神域であることを示しています。

降臨の浜の遠景には新日鐵住金の工場群、神代とがコントラストを織りなす
東の一之鳥居

再びスタジアム方向に歩き、汐菜キャベツ畑を抜けて、と鬼塚、などで土地の神話や地名の由来に触れながら、スタート地点に戻ります。海から吹く風が心地よく、歴史浪漫が感じられるハイキングコースです。

春にはカシマスタジアムをバックにキャベツ畑が広がる

(この記事は月刊アントラーズフリークスのホームタウン浪漫紀行に加筆修正を加えて掲載しています)


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