お盆には幻想的な万燈会。潮来市日の出の潮音寺

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日の出地区がニュータウンとして開発されたとき、地域のよりどころとして建てられたお寺が潮音寺です。有名な奈良薬師寺の東関東別院でもあり、大みそかには、初祈願万燈会が行われ、除夜の鐘がつかれます。

夏の万燈会は潮来の風物詩の一つ

潮音寺の万燈会は、お盆の風物詩として人気のイベントです。水郷潮来のバスターミナルに、大きな写真看板があるので、イメージできる人も多いのではないでしょうか。実は、大みそかの夜にも「初祈願万燈会」が行われるということで、住職の生駒基達さんにお話を聞きました。

「万燈会は、願いが書かれた一万の献燈器(ろうそくのカップ)にあかりをともしていきます。手作業ですから時間はかかるのですが、4時間は消えないので、幾何学的な模様を描いたり、初祈願万燈会では翌年の干支をイメージして配置します。夏の万燈会はお盆の迎え火、送り火として、大みそかは、一年の感謝と新しく迎える年に願いを込めてともします。とした空気のなかで、一万のあかりが揺れる様子は本当に幻想的です」

大みそかの潮音寺では、午後11時半ごろから除夜の鐘をつくことができます。最近では、除夜の鐘をつくお寺も減ってきていて、地域の人たちにも喜ばれているそうです。除夜の鐘といえば百八回ですが、そこにはこだわらず、明け方近くまでそれぞれ思いを込めて鐘をつき、その年の煩悩を払います。潮音寺では、「鐘をついて餅を食べて、かねもちになろう」という願いも込めて、お餅を振る舞うのが習わしだそうです(先着1,000名様)。

三が日は多くの参拝客がお参りに来ます。

潮音時の鐘楼は東日本大震災で倒壊してしまい、現在は仮設の鐘楼が建てられています。日の出地区は液状化の被害が特にひどかった地域で、潮音寺も大きな被害に遭いました。16棟あったお堂は4棟になり、現在も再建のための復興が進められています。復興支援の取り組みとして、毎日写経会が開催されています。「心が落ち着く」と人気の写経ですが、潮音寺の写経は、他では珍しい『』を要約したもの。ご本尊の慈母観音の教えでもある、父母の恩に感謝するという思いを込めて写経します。

特別写経会の様子

「この時代を生きるなかで、一番大事なものは家族であり、親子の絆です。慈母観音のご利益にあずかって、家庭をしっかり築きたいと願い、訪れる人はあとを絶ちません。アントラーズの勝利を願ってお参りされる方もたくさん訪れます。潮来インターからも近いので、ぜひ試合前の必勝祈願にお越しください」

潮音寺の日常は、本堂前の広場にサッカーゴールが置かれ、子どもたちの声であふれます。慈母観音の温かいまなざしに守られるように、この地域の子どもたちの遊び場として親しまれている、地域に愛されているお寺です。

千体地蔵会の様子

■お問い合わせ

住所▶茨城県潮来市日の出4-7
TEL▶0299-66-0623
FAX▶0299-66-3499

潮音寺日記 http://choonji.blogspot.jp/

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(この記事は月刊アントラーズフリークスのホームタウン浪漫紀行に加筆修正を加えて掲載しています)


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