鹿嶋よ、何故この魅力をひた隠しにしているんだ(家族移住体験:鹿嶋市#3)

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アラームでは起きないが朝陽では起きる

障子から朝陽が差し込んできて、自然に目が覚めた。
いつもはアラームを15分おきに設定してもなかなか起きれないのに不思議。

子どもたちはぐっすり眠っている。

目を凝らせばもう一人いる。

その間に夫は朝食づくり。
写真を撮ることを想定してか、気合が入っている・・・!

おにぎりが小さいのではない。手がでかいだけ。
気合い入ってる
やはり気合い入ってる

すぐ隣を走るディーゼル機関車の音で、子どもたちものそのそ起きてきた。
仕事に向かうすーちゃん(住み込みの管理人さん)に「行ってらっしゃい」を言いたいとのこと。

ディーゼル機関車が通るのをワクワクしながら待つ2人

昨日来たばかりのパジャマ姿の一家に、行ってらっしゃいをされるすーちゃん。

「全ての始まりの地」へ朝散歩

目を覚ますために散歩に行くことにする。
「すべての始まりの地」といわれている鹿島神宮西の一之鳥居へ。
ゆらゆらの水面に太陽の光がきらきら反射して、家族一同眩しくて目を硬くつむる。
(傍から見たら、この神聖な空気を体内に入れるために目をつむり深呼吸でもしているかのような光景だったと思う)

キラキラ眩しい
まわり込んで表情を見ると硬く目をつむってた3人

しかし、きれいだなぁ。
このまま鹿島神宮の本殿に行きたいけれど、午前中に終わらせなければいけない仕事がある。本殿は明日の楽しみに残しておこう。

家に戻り、私は仕事。
夫は洗濯を回してから、洗濯している間に子どもと一緒に近くのスーパーへ買い出しに向かった。

今日はこのスーパー

「やっぱり物価が安いわ!サーモン買っちゃった!」
と興奮気味の夫と子どもたち。
私も
「あと20分くらいで区切りがつきそう」
と返事をする。

普段ひとりで仕事をしている時は立て込んでいるわけではなくても際限なく机に向かってしまう。
お昼もPCを開きながら適当に食べて、朝も昼も夜も特に意識しないままなんとなく一日は過ぎていく。
しかしみんなでお昼を食べようと思うと「午前中にこれだけは片づけちゃおうかな」という張り合いが生まれる。

なんだか鹿嶋に来てから朝早く起きたり、仕事をしっかりやったり、ちょっとした目標をもったりなど、私らしくない。
ちょっとした興奮状態からこうなっているのかもしれないけれど、でも、なんかこんな自分もいい。

下津海岸でお昼ごはんとリモートワーク

夫と子どもがおにぎりを作ってくれたので、あたたかいお茶とPCと本を持って、下律海岸へ。

下律海岸は、昨日はまなす公園で娘が仲良くなったシニア夫婦に教えてもらったスポットだ。

冬なのに上のコートがいらないくらいに温かい。サーファーが波に乗っている。おじいちゃんとそのお孫さんらしき二人が、砂浜でお山をつくっている。

「鹿嶋よ、何故この魅力をひた隠しにしているんだ」という思いが隠せない。

いそいそとレジャーシートを広げ、おにぎりを食べる。
おにぎりを食べた後は、娘は貝殻を集め、息子は棒を振り回し、夫は渋めの表情をつくり片膝を抱えて海を眺めている。(サーファーがいるような綺麗な海がきっと夫をこうさせてしまうんだろうな)

もぐもぐ
棒を振り回す息子

みんなそれぞれ集中して楽しそうなので私もPCを広げてみる。
海辺でリモートワークなんて、ネットの中の世界なのでは?なんて思っていたけれど、これがなかなかいい。波の音の癒し効果よ・・・

なかなかいい

ただPCが潮風や砂の影響を受けないかなど、内心ソワソワしてたのも事実。
メールなどは返せるし簡単な作業はできるけれど、やはりまとまった時間集中するには机が欲しいなとも。また、天候もかなり関係するのだろう。

あと、海辺でポツンとPCを広げているのは私くらいなもんなので、散歩中の方の視線が気になる。カッコつけてるって思われたらどうしよう・・・!みたいな気恥ずかしさだ。
しかしまぁカッコはつけているのだからどうしようもなにもないのだけれど。

ポツン

なんだかんだで3時間ほど過ごし、家に帰る。
子どもたちは少しお昼寝をして、私たちもコーヒーを淹れて休憩(またしてもかっこつけたがおなじみのインスタントコーヒー)。

昨日より疲れているが、星が綺麗だ

しばらくして夫が夜ごはんをつくり始め、たくさんつくった大根のそぼろあんかけをすーちゃんにおすそ分けするとのこと。

「これ、沢山つくったので良かったら」と声を掛けるエプロン姿の夫と、
「いいんですか、ありがとうございます」と受け取ってくれる会社帰りのすーちゃん。
二人の男性の立ち姿と会話の内容が印象的な一コマだった。

今日は、昨日より疲れている。
自分が思う以上にテンションが上がっているのかもしれない。

夜の仕事はやめにして、灯台近くに星を観に行くことにした。
寒い。すごく寒い。
星はきれい。

iPhone画面についた埃かと思ったがちゃんと星だった

一生懸命写真を撮ったけどiPhoneと自分の限界を認めて途中で諦める。
これは肉眼で静かにみるべきなんだろう。

「帰って温かい牛乳飲みたい」と息子が言う。
私も賛成。

家に帰って、すーちゃんに星がきれいだったことを伝えて、温かい牛乳を飲み、今日は終わり。

ここまで振り返って書いていて、「宿に戻る」じゃなくて「家に帰る」という表現を家族みんなが自然に使っていることに気付く。
家とは。

明日はゆっくり起きよう。無理してもしなくても何も逃げない。

つづく

娘の絵日記

渡部 直子

ありの幅を広げる企画オフィス「ある意味」の代表。書き込み式フリーペーパー「ママの大事なノート」編集長。「欲しがりません、好感度」の会を不定期開催。育休中に初対面のおじさんとM-1出場(もちろん敗退)。主夫の夫と子ども2人の家族4人で、帰れる場所を増やすような「暮らす旅」を実験中。


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