農産物直売所おらが村〜直売所を巡る〜

鹿島アントラーズby:鹿島アントラーズ

直売所はその地域の食文化を象徴している。生産者の生業・息遣いが伝わってくる。

「直売所は地域の縮図である」。その考えのもと、鹿行地域の直売所を巡る。

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梅雨の晴れ間に神栖市の直売所「農産物直売所おらが村」に足を運びました。「おらが村」という響きがいいですね。行方市出身の私も自分の家を「うちげ」と呼ぶことがあるので、入店前から親近感を感じます。

入り口の看板もいい味を出しています。ちなみに、駐車場は市道を挟んで向かい側にもあります。

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7月とあって、店内に入ると、メロンやスイカが出迎えてくれました。季節感を感じられるのが直売所のいいところ。旬のものは何を食べても美味しい。

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日本には「初物七十五日」という言葉があります。初物を食べると寿命が75日のびるということらしく、「毎月、旬のものを食べていれば不老不死じゃん」とツッコミたくもなりますが、もともとの理由は割愛。

神栖市と言えば、生産量日本一のピーマン。もちろん、ここでも販売していました。

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野菜はもちろんのこと、海産物も加工品もあります。が、この直売所の真の魅力はこれだけではないのです。

ずばり 千両と若松!

この直売所を経営している株式会社ミゾグチファームは、正月花に欠かせない若松と千両を生産し、全国の市場、業者に販売・卸を行っています。この店舗でも年末になると直売し、目当てのお客さんで大いに賑わうそうです。

神栖市の千両と若松の栽培は大正時代初期に始まっていて、歴史のある市の特産物です。

千両は、千両箱に通じる縁起物です。寒い季節にふくよかな赤・黄色の実を豊かにつけることから、その価値は千両・万両に値するという意味から名づけられたとされています。

松は、鬼や邪気を追い払うとして、正月飾りの門松や生け花として珍重されています。一年中、葉を落とさない常緑樹であるため、永遠の命を象徴し、縁起のいいものとされてきました。

滑川さん(ご対応いただいた総務部長さんです)、全く知りませんでした!無知ですいません!おまけに、千両が栽培されている場所まで案内していただくという図々しさ。

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まだ赤や黄色に色づいていませんが、出荷の時期まで大事に育てられます。光が細やかに射す光景すらも千両の価値あり。

千両は、直射日光を嫌うため、竹を組んだ「がくや」と呼ばれる囲いの中で、苗木から3年を掛けて育てられます。「がくや」の中で栽培することで、実を鳥から守り、直射日光で葉が焼けすぎるのを防いでいます。

10月中旬になると、収穫が始まり、出荷の準備に取り掛かるということですので、またその時期にお邪魔したいと思います。

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千両と若松ならここ!という場所を見つけました。まさに、直売所は地域の縮図。

文・写真:関口(鹿島アントラーズ 地域連携チーム)

農産物直売所おらが村 
http://tyokubaijo.mizoguchi-farm.jp/
茨城県神栖市波崎198番地1
TEL 0479-44-5310


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